出会いから数年のブランクを経て

柿原谷口と出会ったのは、かなり昔だよね。

谷口もう8~9年くらいですかね。

柿原アトミックモンキーの入江玲於奈と81プロデュースの西山宏太朗が、友達だと紹介してくれたのが最初で。でも、そこから仲良くなるまで数年のブランクがあったよね。ま、20代だから仕事や友達よりも、恋人を優先しちゃうのも分かるよ(笑)

谷口もうこれずっとネタにされてるんですが(苦笑)、当時お付き合いしている方がいたんです。飲み会に参加できなかったのは、夜にバイトしていたせいもありましたけど。

柿原新宿の区役所通り沿いのたこ焼き屋さんでね! 玲於奈と宏太朗が谷口のこと大好きだから、飲んだ後に「遊びにいこうぜ!」ってみんなで遊びに行ったな~。

谷口路面店だから「おーい! 谷口―!」と声だけかけて、たこ焼きを買わずに帰るんですよ(笑)。

柿原当時はそれくらいの接点だったよね。俺は来るもの拒まず去るもの追わずだから、とくに気にしていなかったし、付き合っていた人や将来のためにもお金を貯めているのかなと思っていて。

谷口結果フラれるんですけどね!

柿原で、その年の大晦日、俺の家に来て一緒に年越しをする(笑)

谷口フラれたのが12月中旬で、それからすぐに徹也さんから「年末年始何してる?」と聞かれたんですよ。彼女と過ごすつもりだったから予定なんて何もなくて、家にお邪魔することにしました。

柿原俺の後輩夫婦も来ていて、その奥さんの友達を谷口に紹介してもらったんですよ。連絡先を交換して、後日どうなったのかと聞いたら……。

谷口僕の誕生日の前日から音信不通になりました(笑) ま、縁がなかったんでしょうね。

柿原でも、俺らの縁はそこからだよね。

Zynchroに入った
きっかけは?

谷口僕から徹也さんにお話しました。今の僕を作ってくれたのは徹也さんで、精神面や生き方など、いろいろなことを教えてくださったんですよ。そんな徹也さんが行く道を、僕も一緒に歩きたい。事務所に入るならZynchroしか興味ないし、入れないならフリーを続けるか、野垂れ死ぬかのどっちかだ……といったことをお伝えしました。

柿原もっとストレートな言葉だったよ。それがめちゃくちゃ嬉しかったんだけど、覚えていない?

谷口……(苦笑)

柿原こういうのって言った本人より、言われたほうが覚えているものなんだね(笑)「Zynchroに入れなかったら来世に賭けます。徹也さんについていってダメだったら、今世はもう諦めます」って言ったんだよ。

谷口結構いいこと言ってた!

柿原今世にそこまで賭けているんだ、人生一度きりってこういうことだよなと思ったんだよね。「僕と一緒に仕事をしたら楽しいですよ」と言われているような、ワクワクする招待状をもらった気分になって。あの言葉が俺を決断させたの。ま、本人は覚えていないけど(笑)

関係性が変わっても、
気持ちは変わらない

柿原先輩から社長という立場になったけど、気持ちの変化はないかな。強いて言えば、「親になったな」と思うくらい。よくできた子なので叱ることもないし、心配もとくにしていません!

谷口僕も変化はないです。徹也さんへの信頼も変わらないですし、この先対応を変えることもないでしょうし。前からお兄さんというイメージだったので、Zynchroに入って本当に家族になれたというか……書類上、籍を入れた感覚に近いです(笑)

柿原ここ数年社長をやって分かったのは、役者を商品だと思えないということ。「とにかくオーディション受けろ、稼いでこい」よりも、「やりたいならやればいい。やりたくないならやらないでいいよ」になっちゃう。役者は自我がないとダメだし、つまらないことを強制する事務所にはなりたくないから。

谷口徹也さんがそういう考えだから、Zynchroは明るくて気持ちのいい事務所なんでしょうね。皆さんにお会いしたら、想像していた通りの仲の良さと活気がありました。マネージャーさんの誕生日会で皆さんに紹介していただいたんですが、KENNさんはご飯や飲み物を勧めるなど、たくさん気を遣ってくださって。金田さんは、明るくて気さくなサバサバしたお姉さんという印象でしたね。

行動の積み重ねが信頼に

谷口この先は僕から徹也さんへの質問コーナーになります! 一問目は「ぶっちゃけ、Zynchroに谷口を入れてどうでしたか?」です!

柿原……。

谷口今、僕の心臓がものすごくビートを刻んでます(笑)

柿原(笑)このタイミングで入ったのは、“もってる”と思ったな。スタッフの数が足りないから、マネージャーにも「あまり面倒を見られないかもしれない」と言われていたの。でも、コロナ禍でマネージャーが現場に行けなくなって、少し余裕が生まれた分、電話やメールで谷口の営業もできて。

谷口ありがたいです、本当に。今まで受けたこともないオーディションとか仕事もやらせてもらえています。

柿原それにご時世的にも、喋れるメンバーって少なくて。KENNちゃん、金田、マネージャーたちだけだったところに、考えていることを素直に言ってくれる人がまた一人増えたことは、俺としてもありがたかったな。

谷口今後、新しい役者は入れるんですか?

柿原響かないと難しいかな。行動が積み重なって信頼に変わる。要は、今までの行いの貯金が大事なわけで、それを積み重ねていない人とは一緒にいられないから。Zynchroに入りたいと言うなら、ちゃんとした人間の貯金額――行動を見せてほしいなって思う。

谷口次は、「おすすめのプロテインを教えてください」

柿原何だよこの質問~(笑)

谷口毎朝プロテインを飲むんですが飽きてきてしまったので、美味しいものを教えてほしくて。

柿原俺も毎朝飲んでる。朝ご飯、食べられないんだよね。

谷口分かります! 入らないんですよ。

柿原そうそう。でも、何か入れないといけないからね。俺は、某有名メーカーのクッキー&クリーム味をずっと飲んでるよ。自分の感覚で選んだものだったんだけど、トレーナーに「このプロテインどう?」と聞いたら、成分的にもめちゃくちゃいいって褒めてた。

谷口すごい! それ買います!

引退時期と、その後の展望

谷口「何歳で引退するか決めていますか?」

柿原決まっています! 年齢とかじゃなくて、面白くなくなったら辞める!

谷口おー!

柿原この仕事を何でやっているかと言ったら、面白いからやっているわけで。面白くなくなったらすぐに引退するし、その覚悟で仕事をしている。

谷口引退後は何をされるんですか?

柿原きっと何でもできるし、何でも一から始められると思うよ。

谷口そのときに興味があることをやる?

柿原今から準備することもできるけど、それってちょっとズルいと思うんだよね。次を探しているみたいで、今一緒にやっているヤツらに失礼だなって。もし、やりたいことが見つかって、事前に学校に通って準備したいとなったら、そのときはちゃんとみんなに話してから始めると思うな。

谷口逆に徹也さんから僕に聞きたいこと、何かありませんか?

柿原そうだなぁ……。じゃあ、「何をしたら役者の一流だと思う?」

谷口自分の信念に基づき、自信を持って芝居をやれる人ですかね。周りにいろいろ言われて、操り人形になったら終わりだと思うんですよ。そこを曲げずにやれて、それでいて正しいと思ったことは吸収できる人を、一流と呼べるのかなと思います。

柿原芝居で食えていなくても?

谷口はい。それで食えていたら超一流なんじゃないかな。

柿原今の自分はどう?

谷口食えてはないから……一流、ですね。

柿原いいね、最高の答えです。俺は自分で一流と言って欲しかったの。もちろん一流ですよ。

谷口(照)

柿原人間が一流なんだから、役者でも一流なのは当たり前。人間性が薄っぺらなら芝居も薄っぺらくなる。結局、人間性が一番大事なんです!

1年後の課題に!

柿原他にも聞きたいことはいろいろあるけど、最後にひとつ。「俺の一番いいところは?」

谷口一番かぁ……どうしよう、全然出てこない。

柿原ちょっと! 今世ついていこうと決めた人でしょ!?

谷口いいところがいっぱいあって、一つにまとめるのが難しいんですよ。

柿原じゃあ来年また聞くから、1年かけて探しておいて。

谷口分かりました! でも、その時も「まだ分かりません」と言うかも……(苦笑)

柿原そしたら「1年間何していたんだ!」って言うよ(笑)

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